AIアバターとは?接客でのメリット、活用シーンを紹介

今、接客シーンでAIアバターが注目されています。ここでいうAIアバターとは、自撮りアプリSNOWの機能とは別のもので、アバターの姿をしたAIが接客するというものです。
AIアバターによる接客代行によって省人化が実現できるため、日本でもさまざまな企業で導入が進んでいます。
そこでこの記事では、接客におけるAIアバターの基礎知識とメリット・デメリット、おすすめのサービスについて紹介します。
接客業務の効率化を目的としてAIアバターを活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
AIアバターとは?
AIアバターとは、AIを搭載した非接触型の接客システム(仮想的な人物)のことです。
自然言語生成 (NLG)、自然言語処理 (NLP)、機械学習、深層学習、ニューラルネットワークなどのAI技術によって構築され、CGによってアバター(ビジュアル・外見)を追加することで、顧客とのコミュニケーションを促進、自動化します。
近年、AIアバターはビジネスやエンターテイメントの分野で広く活用されています。
AIアバターを導入するメリット
企業がAIアバターを導入するメリットは以下の6つです。
- 店舗や施設の無人化・省人化
- カスタマーサポートの効率化
- 顧客の心理的負荷を軽減
- 属人化の解消
- 採用の最適化
- データの蓄積と分析
それぞれについて解説します。
店舗や施設の無人化・省人化
店舗や施設の接客や受付をAIアバターが担うことで、無人化や省人化を実現できます。
AIアバターは24時間365日稼働できるため、待ち時間の短縮や営業時間外のサポートを可能とします。また、学習して成長するというシステムになっているため、運用を続けることで機能を最適化できます。
企業はサービスレベルを維持したまま、人員を削減できるでしょう。
カスタマーサポートの効率化
AIアバターによって、カスタマーサポート業務を効率化できます。たとえば、文字だけのチャットボットと比較すると以下のようなメリットがあります。
- 顧客に対して表情や声を使ってコミュニケーションできる
- イラストや画像を効果的に組み合わせて視覚的な情報を提供できる
- データベースと連携することで正確な情報を提供できる
AIアバターはより人に近い自然なコミュニケーションを可能とします。そのため、業務を効率化するとともに顧客満足度の向上も実現できます。
顧客の心理的負荷を軽減
AIアバターは対面での接客よりも顧客の心理的負担を軽減します。
株式会社パーソル総合研究所が、対面と非対面(アバター)のコミュニケーションの違いに関する実験1)を行ったところ、非対面の方が心拍数を抑えて精神的ストレスを軽減することを明らかにしました。
相手が生身の人間だと、聞きたいことが聞けなかったりストレスを感じたりする人もいます。AIアバターを活用することで、顧客の心理的な敷居を下げてサービスの活用を促進できます。
1) パーソル総合研究所「対面と非対面におけるコミュニケーションへの影響に関する実験結果を発表メタバース空間におけるVRアバターを介した営業は、精神的ストレスを受けにくい」
属人化の解消
AIアバターであれば、業務の属人化を解消できます。
AIアバターはあらかじめ決められたルールや設定に基づいて対応します。また、機械学習によってより適切な回答を導き出せるため、顧客のニーズに合わせたサポートを可能とします。
一方、人による対応は、その人の経験や判断によって質や内容にバラつきが生じます。そのため、企業として一貫性のあるサービスが提供できず、顧客満足度が低下してしまう可能性があります。
接客にAIアバターを活用することで、より質の高いサービスを一貫して提供できるでしょう。
採用の最適化
AIアバターの活用によって、採用を最適化できます。
たとえば、AIアバターがルーティンワークを担当することで、より専門性の高い従業員の採用に注力できます。
また、AIアバターを含むリモート接客の環境を構築することで、障害者の就労支援や海外在住人材の採用など雇用の可能性も広げられます。
このような取り組みによって、企業は生産性の向上や社会的責任を果たすことができるでしょう。
データの蓄積と分析
AIアバターを導入すれば、データ分析の精度を高められます。
AIアバターは顧客とのコミュニケーションの中で、嗜好や行動パターンなどのデータを収集します。これらのデータは、マーケティング戦略や商品開発に活用できます。
また、問い合わせやクレームの分析も可能であり、同じような問題が発生したときに早期に対応できるようになりますし、再発防止に役立てることができます。
このように、AIアバターによってデータの蓄積と分析が容易になり、マーケティング施策の立案や顧客満足度の向上につなげられるのです。
AIアバターを導入するデメリット
ここまでAIアバターのメリットを述べてきましたが、AIアバターはあくまでツールのひとつであり完全に人に代わるものではありません。
クリエイティブな業務やコミュニケーションなど、人間特有のスキルを必要とする業務においては、AIが完全に代替することは難しい場合があります。
また、初期導入コストと運用コストがかかりますし、故障やトラブルが発生した際は人的リソースが必要です。
ただ、近年のAIの進歩は著しく、音声認識や言語処理の技術向上によってコミュニケーションに関する課題は改善されると考えられています。AIアバターを導入する企業が増えれば、コストも下がって行くでしょう。
企業や施設がAIアバターを導入する際には、導入のメリット・デメリットを十分に考慮し、適切なタイミングで導入することが重要です。
AIアバターの活用シーン
AIアバターはどのような企業が活用さればよいのでしょうか。以下ではAIアバターの主な活用事例を紹介します。
接客・販売 |
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施設の受付・コンシェルジュ |
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カスタマーサポート・ヘルプデスク |
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医療施設(窓口) |
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AIアバターは、ビジネスやエンターテインメントの分野だけでなく、近い将来には医療や介護、教育などの現場にも導入されることが予測されます。
接客オンデマンドのAIアバターシステム
ここからは、接客オンデマンドのAIアバターシステムについて紹介します。
円滑なコミュニケーションを実現
接客オンデマンドは、ライフトークエンジン2)を搭載さたAIアバターを採用しており、顧客との円滑なコミュニケーションを実現します。対話を楽しく演出する機能(一部)は以下の通りです。
自然言語処理
独自の対話誘導ストーリーと共感アルゴリズム(特許申請中)により、言葉による表現だけでなく、顔の表情や仕草、声のトーンなども考慮してより自然な対話を演出します。
音声病態分析
声の周波数の変動パターン等から心理状態を把握し、顧客の気分の高揚や落ち込みを独自開発のアルゴリズムで分析します。
音声感情認識
日本語や英語といった特定の言語に依存せず、声の大きさ、抑揚、イントネーションなどの物理的特徴量の分析によって、顧客の感情を認識します。
対話のフロー設計
AIアバターとの対話のフローを設計して、それに合わせた回答を提示します。また、ユーザーが話しやすいような会話の流れを作り、不要な情報を省くこともできます。
アバターカスタマイズ
見た目だけでなく、個性やパーソナリティもカスタマイズできます。たとえば、真面目で素直な印象を与えるAIアバター、ユーモアや軽いノリで話すAIアバターなど調整可能です。
2)ウェルヴィル株式会社が開発・提供する人と共感する日本語対話AI
様々なシステムと連携可能
オープンな開発プラットフォームにより、以下のような既存システムとの連携も可能です。
POSデータ | 売上・決済情報の収集 |
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遠隔接客ツール | AIから有人対応への切り替え |
顧客・商品データベース |
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予約・受付管理システム |
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CRM・MAツール |
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実店舗・カスタマー部門 | トラブルの発生時の連絡先 |
シンプルで使いやすいUI
接客オンデマンドは、スクラッチ開発不要のシンプルUI設計です。
ショールーム受付、製品・サービス説明など、企業の目的に合わせて主機能、サブ機能を表示して、ユーザーを適切な操作に誘導します。
また、会話内容に合わせて画像やタッチメニューを表示したり、マイクから認識された音声やAI発話内容をテキスト表示したりできます。
まとめ
接客にAIアバターを活用することで、企業の労働力不足や人件費削減の課題を解決できます。また、AIアバターはあらゆるデータを収集して顧客に合わせたサービスを提供できるため、売上アップにもつなげられるでしょう。
接客オンデマンドは、AIアバターからバーチャル制作まで、接客・受付業務のデジタル化を店舗やWebで実現するDXソリューションサービスを提供しているサービスです。
AIアバターのほかにも、以下のサービスを展開しています。
- オンライン接客(店舗、Webの訪問者を遠隔でサポート)
- バーチャル制作(Web、メタバースに店舗や施設を展開)
- ロボティクス(案内、接客、販促、マルチ対応AIロボット)
これらのサービスをAIアバターと組み合わせることで、企業のDX推進、CV改善、UX向上、人手不足の解消を実現します。
運用面における手厚いサポートのほか、遠隔操作のオペレーション人材の提案も可能です。どうぞお気軽にご相談ください。